「Tカード情報令状なく捜査に提供」の件
共同通信の
の件ですが、これはCCCも警察も、現行法上合法の振る舞いです。
上記報道には明記されていませんが、裁判所の令状はなくても、現在は警察の発行する「捜査関係事項照会書」に基づいていることがCCCのお知らせには記されています。
個人情報保護法には以下のように「法令に基づく場合」は「あらかじめ本人の同意を得ないで」「前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってもよい」と記されています。
第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。2 (省略)引用元:個人情報の保護に関する法律3 前二項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。一 法令に基づく場合
そして、この「法令に基づく場合」には、刑事訴訟法第197条第2項の「捜査関係事項照会」が含まれる、とガイドラインで示されています。
法令に基づく場合は、法第16条第1項又は第2項の適用を受けず、あらかじめ本人の同意を得ることなく、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことができる。
事例1)警察の捜査関係事項照会に対応する場合(刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項)
というわけで、この件を批判するのは自由ですが、「現行法令上は合法である」ということを踏まえて批判*1しないと、ちぐはぐな批判になってしまいますよ、ということで。
*1:個人的には、このような形で個人情報が使用されたことを当事者に伝える仕組みがあるとベターと思います。ただし、捜査の密行性が損なわれると被疑者が証拠を隠滅するなど捜査に支障をきたすという事情も理解できるものなので、例えば3年経過したら当事者に伝えることを義務化する、なんて感じの法改正がいいのかな、と思います。